Slowordz
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April-June
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This Month's Slow Books & Music〜 今月のスロー本&音楽〜
Destiny - Buju Banton

The rich man's wealth is in the city
Destruction of the poor is his poverty
Destruction of your soul is vanity
Do you hear
I and I, I wanna rule my destiny
I and I, I wanna rule my destiny
Destiny,
mama look from when you call me
Destiny,
mama look from when you calling
I wanna rule my destiny... yeah, yeah oh help I please Jah Jah mek mi rule


ジャマイカ・キングストン生まれのブジュ・バントンのDestiny。

ハスキーなんて単純な言葉では言い表せない彼の力強い声とジャマイカ英語が聞く人に勇気を与えてくれる。

幼い頃を貧困とともに暮らしていた彼にとって運命とは何だったのか。そして足りないものなど何もない私たちにとっての運命とは何なのか。深く考えさせられる内容でもある。[2007/12/10]




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Release Me

曲はここをクリック→"Release Me" by Oh Laura

I am the wilderness locked in a cage

I am a growing force you kept in place

I am a tree reaching for the sun

Please don't hold me down

Please don't hold me down

I am a rolling wave without the motion

A glass of water longing for the ocean

I am an asphalt flower breaking free but you keep stopping me

Release me

Release me

I am the rain that's coming down on you

That you shielded yourself from with a roof

I am the fire burning desperately but you're controlling me

Release me

Release me


スウェーデンの自動車会社 Saab のテレビ コマーシャルの音楽。声の美しさと詩の力強さに惹かれて思わずインターネットから購入してしまった、スウェーデンの女性歌手 Oh Laura の "Release Me" 。

歌詞は苦しんで今を逃げ出したい、そんな痛々しい状況が描かれている。なのにそれが彼女の透き通る声で歌われると、なんだか変に気分がよくなってしまう。

そう誰だってつらいときがある。逃げ出したいときがある。そういう時は相手を逃げ出させてあげることも必要。かばってばかりいないで、自由にしてあげるだけで楽になれるのかもしれない。[2007/07/11]


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1つの笑顔と20の苦しみ


yo tengo la experiencia de la vida
ぼくは人生経験が豊富だ

y aunque a veces me hiera despiadada
何度か冷たくされたことがあるけれど

me ha enseñado a curarme las heridas 
傷を治して何でもなかったように

y volver a empezar como si nada
もう一度やり直すことを教えてくれた

yo no pretendo con esto dar consejo
この歌でアドバイスしようなんて思ってない

que cada cual, que cada cual se saque su diploma
「それぞれ人生の修了証書を取得しなければならない」とか

y al despertar se mire en el espejo
「目覚めるたびに鏡を見たほうがいい

antes de criticar a otra persona
他の人を批判する前に」とか

pero yo no tengo prisa, quiero gozar el momento
でも僕は急いでない、今を楽しみたいんだ

mas vale un rato de risa que 20 de sufrimiento
1つの笑顔のほうが20の苦しみよりずっと意味がある

スペイン・セビーリャ郊外ドス・エルマーナス出身のマヌエル・ロンボ/Manuel Lomboのデビューアルバムの「Tengo la experiencia」から。

ヤング・フラメンコ・アーティストとして人気のマヌエル・ロンボは80年生まれの27歳。しかし彼の声はフラメンコ調の曲に似合うハスキー・ボイスで、そんなに若いとは思わせない。

笑顔1つだけでもいい、苦しみが20個あるより……なんて、この若造、いいこと言うじゃないか。[2007/06/11]




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Cuac - クアック

2004年のデスティーノ・インファンティル社のアペル・レス・メストレ大賞をを受賞したウガンダ出身ロンドン育ちのカルメン・ポサーダスの絵本。

クアックはシンプルなお話しとリアリズム調の美しいイラストが特徴的な絵本。

しかしそのメッセージは学ぶことの大切さという子どもから大人まで心動かされるものである。対話を通して互いが豊かに成長し、見知らぬ相手への恐怖感を乗り切ることの重要さ。

少しでも自分と違う人を避けてしまうことは誰にでもある。特に似たような人と一緒にいると安心してしまうことが多い日本人に多い。でもこの絵本を通して異文化への理解を深めることさえできるかもしれない。

  文:カルメン・ポサーダス
  イラスト:ヘスス・ガバン
  40 ページ
  22-23cm

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飛び込んでしまえば

at a little wooden cabin
小さな木造小屋

up in northern minnesota
ミネソタの北のほう

we ran together down to the dock
桟橋まで一緒に走ったね



and you jumped right off it
それから君は突然海の中に飛び込んだ

and from out in the water
水から顔を出して

you called me to join you
中に飛び込んで遊ぼうと僕を呼びかけた

and i said baby i cannot swim
僕は泳げないんだよ

if i jump i’ll surely drown you
もし飛び込んだら君がおぼれちゃうかもしれない

you said life has no limit
でも「人生に限界なんてない、

if you’re not afraid to get in it
いっそ、飛び込んでしまえばね」君はこう言ってくれた

and oh baby i jumped to you
僕は水の中にいる君の元へ飛び込んだ

since then there’s nothing i can’t do
それ以来、僕にはできないことはなくなった

ミネソタ州出身のシンガーソングライターMason Jenningsの「If you ain't got love」の一部を抜粋(アルバム『Boneclouds』)。

メイソン・ジェニングスの歌詞は本人の奥深い世界から生まれたのがよくわかり、内容も深い。男女関係をベースに、人間の真髄まで教えてくれるところがある。

このアルバム以外にお勧めなのが、デビューアルバム『Mason Jennings』。ドラム、ギター、バスそしてボーカルとすべてを一人でこなしたというこの作品にも、歌詞だけを聞いてなんだか少し賢くなった気分にさえなる。

「Darkness between the fireflies」(蛍の光の中にある暗闇)では、過去の過ちさえも時には美しいとして、「蛍が光るあの暗闇」と表現している。美しいのは「蛍」そのものでなくて、その周りを取り巻く「暗闇」なんだとしている彼の視点の鋭さもなかなかいいところだ。

音楽・映画で文化帝国主義まっしぐらのアメリカにもこんなスローなシンガーがいたとは、やっぱりアメリカは広いだけあって捨てたもんじゃないと思うこともある。今も彼の曲を聴きながら考えにふけるゆっくりした時間を過ごしている私……[2007/01/15]


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腕の中にすっぽり入る世界

Can't you see that it's just raining
雨降ってるの、聞こえない?

There ain't no need to go outside
外に出かける必要なんてないよ

Ain't no need, ain't no need
どこへもいかなくていい



Can't you see, can't you see rain all day and I don't mind
一日中雨降ってても、このまま一緒なら悪くない

The telephone singing, ringing, it's too early don't pick it up
電話鳴ってるけど、まだ朝早い、出なくていいよ

We don't need to
そのままにしておこう

We got everything we need right here
必要なものはここにぜんぶあるから

And everything we need is enough
必要なものだけでじゅうぶんだから

It's just so easy
だって

When the whole world fits inside of your arms
世の中がぼくらの腕の中にすっぽり入るだけでどれだけ楽になるか

Do we really need to pay attention to the alarm
目覚まし時計なんか気にすることもなくなるだろう

Wake up slow, wake up slow
ゆっくり起きよう

……

ハワイ出身の元サーファー、でもLaid-back style(のんびり屋さんスタイル)で人気のJack Johnsonの“Banana Pancake”(アルバム『In Between Dreams』)から。

週末の雨、外にでかけようとしても出かける気にもならない。雨が降ってても、一緒にこのままベッドでぐっすりごろごろしていてもいいか。そんな暖かい空気が伝わってくる。世の中がぼくらの腕にすっぽり入るって、そう、世界がたった君と僕ふたりだけだったら……と続く世界は、まさに恋する二人を上手く描写しているような気がしてすてき。

最後のゆっくり起きよう!も、スロー・ムーブメントなんて何一つ知らないだろうJack Johnsonから自然に出てきた言葉だから、彼の生まれつきのゆっくり度が見えてくる。ハワイの人たちの生活リズムに何か学ぶところが多いというサインかもしれない。[2006/11/25]


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地球が風邪をひいた

La tierra tiene fiebre necesita medicina
地球が熱を出した、薬を欲しがってる

Y poquito de amor que le cure la penita que tiene
痛みで苦しむ地球に愛をあげなくちゃ

La tierra tiene fiebre
地球が熱を出した

Tiemla, llora, se duele del dolor más doloroso
身震いして、涙を流して、なんとか痛みに耐えている

Y es que piensa que ya no la quieren
だって地球は誰からも愛されていないと思っている

Y es que no hay respeto por el aire limpio
誰も地球のきれいな空気を大切にしない

Y es que no hay respeto por los pajarillos
誰も地球の鳥たちに目を向けない

Y es que no hay respeto por la tierra que pisamos
足で踏む地面に何の愛情も感じない

Y es que no hay respeto ni por los hermanos
地球への愛どころか兄弟愛もない

Y es que no hay respeto por los que están sin tierra
生きる場所を追われた人々への愛情もない

Y es que no hay respeto y cerramos las fronteras
国境を閉じて入れさせないようにする

Y es que no hay respeto por los niños chiquininos
小さな子どもたちへの愛情もない

……

今回は本にこだわらずに……ということで、スペイン人の女性ポップ歌手べべ Bebe の“Ska de la Tierra”(アルバム『Pa fuera telaraña』)から。べべはドメスティック・バイオレンスをテーマにして女性擁護を訴えたロック調の歌を出して、一気に人気歌手となった。

この歌はそんな彼女の怒りが環境破壊へと向けられたものかもしれない。特に地球が身震いして、涙を流しているといった描写は、最近のインドネシア大津波やアメリカのハリケーン被害などを思い出してしまう。

私たちが少しずつ地球環境に優しいことをやっていけば、それは地球への愛情となる。今まで愛情を与えるのは赤ちゃん、高齢者、苦しい状況にたたされた移民など人間ばかりだった。でもこれからは地球にも愛情を与えていかなければならない。

地球を相手にするなんて大それた考えにも聞こえるけれど、地球上に住む一人ひとりが少しずつ努力していけば、ゆっくりと地球の風邪は回復していくんじゃないかな。 [2006/10/07]


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Ubucuti bw'imbeba n'inzovu - ルワンダの絵本

昨年のボローニャ・ブックフェアで新人賞を受賞したルワンダの絵本。
ルワンダといえば、ツチ族とフツ族の対立からルワンダ・ジェノサイド(genocide - 大虐殺)が起こってからまだ10年ちょっと。そんなアフリカの国から美しい絵本が届いた。

ねずみのラッチは火作りの名人。他の動物たちもいつももらいにくる。ラッチの友達は大きなゾウのエレファントだった。そんな二人に、飢餓が襲ってくる。ゾウのエレファントはラッチの食べ物を自分の家に置くようすすめるが、ラッチは逆に返してほしいと頼む。二人の油状は「飢餓」という外敵で崩されてしまうのか?新人賞受賞の理由は「テレビの現実とは異なる、人類の英知、言葉、夢から生まれたこれまでにない美しい物語」ということ。
S

キニャルワンダ語で書かれているので、残念ながら翻訳がでることはむずかしいだろうけれど、イラストにでてくる動物たちの表現を見ていると、アフリカの広大な大地から湧き出た勇気みたいなのが伝わってくる。いつか、アフリカの民族の言葉も勉強しなくちゃ。   文・イラスト:ジョン・キラカ
  21 ページ
  26-26cm

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Les Contes Rouges du Chat Perche par Marcel Ayme -
猫が耳のうしろをなでるとき (マルセル・エーメ)

マルセル・エーメは1902年生まれのフランスの小説家で日本では怪奇作家としても知られている。67年に亡くなったけれど軽妙でユーモアあふれる語り口調で有名。そんな彼の子供向けの物語がこれ。

デルフィーヌとマリネットは農家の二人姉妹。農家の娘ならのーんびり暮らしているはずなのに、いたずらっ子の二人は犬から牛、馬、猫と遊ぶのが大好き。そんな二人に動物をめぐる事件が次々と現れる。コルネットという名の牛が行方不明になったり、盲目の犬が遊びに来たり、とさぁ大変!

この物語のユーモアは、二人の女の子のいたずらぶりにあるだけでなく、動物があたかも人間のように話すこと。それも頭のいい馬から、ちょっとひねくれた豚、愚痴を言う猫までそれはまさに人間世界を皮肉っているかのような鋭いエーメの洞察力から生まれているものなのである。

広い大地の農場が舞台となっているのは、読んでいるだけでもそんな広い空間へ放り出されたような気分になれる。子供向けではあるが、ユーモアは大人でも十分に楽しめるもの。ある意味フランス小説の古典でもあるけれど過去をもう一度見直すことも今の私たちには必要では?

  赤のお話し、青のお話しどちらも読んでみたい。

  文:マルセル・エーメ
  イラスト:フィリップ・ドゥマ
  221 ページ
  12-18cm

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Planete Attitude Junior -プラネット・フレンドリー、ぼくらにできること

エコロジーを考えるとなんだか難しくなってしまって、普通の大人や子供にはとっつきにくいもの。そのうえ禁欲的なことが多いから、押し付けがましいことさえある。そんな固定観念を180度変えてしまうような本が、フランス生まれのプラネット・フレンドリーとも言える。

なのに、この本は表紙からあかぬけている!イラストや写真も豊富で、カラフルな色使いはデザインのセンスも光っている。こんな風に「形から」地球に優しい人を目指すのも、悪くはないはず!

そんなかわいくてユーモアあふれる本書は、中身もしっかりしている。フランスの WWF 研究チームが執筆、各章では世界中に散らばった絶滅にさらされている動物たちを紹介していて、白くまからゴリラ、イルカまで美しい写真を見ているだけでもうっとりしてしまう。

そんな動物たちが危機にさらされているなら、子供たちも自然に「なにかしたい!」となるんだろう。そして大人のわたしたちも。「ぼくらにできること」のセクションでは、身の回りからできる小さなことを数多く紹介。「車に乗らずに自転車に乗ってガソリン代を節約するだけでなく、自分の体にもいい運動をしよう!」なんていうのはまさにそのとおり!まさにクリキンディの「私にできること」(下参照)にも通じる内容となっているのだ。



監修:ガエル・ブティエ-ゲリブ、ティエリ・トゥブノー
イラスト:ガエタン・ドレム
140 ページ
17-22cm

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Une Grande Cuisine Comme Un Jardin / ちきゅうはみんなのひろいお庭

児童書にして、大人向けのレシピ満載のまさに「大人の絵本」。フランスの子供は小さい頃からこんなおしゃれなレシピを習ったりするの?と少しうらやましくもなる(実際は家庭によってそれぞれなので、「フランス人がみんなお料理が上手」とかいう偏見を作りたくはないのだけれど)。簡単なフランス料理アレンジから、インド料理、モロッコ料理まで手軽に楽しめる。

レシピだけじゃなくて、絵本の中身もすごい。全ページたまねぎやとまとの「肖像画」とも言える絵が並び、絵の美しさはレシピを読んでいる最中にふと目を奪われてしまうほど。今までの料理レシピ集の着飾った写真とは異なり、素材重視の思考がよくわかる。やっぱりおいしい料理は、まず有機野菜とか結局素材が重要だっていうことなんだろうな。
子供は大きなバナナやすいかの絵を見て大喜びするはず。大人の私たちもセンスのいい表紙からインテリアとしても飾っておきたくなる。実際に台所で使うにはちょっと重いのが難点だけれど、それでも持っていてうれしい1冊。


文:エリザベス・ブラミ
イラスト:フィリップ・ベルトラン
72 ページ
15-16cm

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L'Ane TROTRO / ろばのトロトロ

フランスで大人気の幼児向け(1-5歳)シリーズで、DVDも発売されている「ろばのトロトロ」。ロバフェア!にちなんで選んでみました。フランス語の TroTro も日本語のとろとろも、けっこういい響きです・・・。

ろばのトロトロは読者と同じ2、3歳の子供。一度「やる」と決めたら絶対に変えない頑固者のトロトロは、いわしが大嫌いだったり、雨の中を出かけるのが大好きだったりと変わった性格の持ち主。洋服は一人で着る、夏でも冬の洋服を変えないなどなど・・・なんだかちょっと反抗的な子供みたいです。
でもこの本が人気があるのは、まずトロトロの愛らしい表情(まさに本物のろば譲り!)はもちろん、子供にも自分の世界がある!という子供の独立心をユーモアで皮肉っているところかもしれません。子供には子供のリズムがある、子供のやり方がある。まさにそのとおりなのです!

日本の子供にも受け入れやすい、ろばのトロトロ。次の「メイジーちゃん」や「リサとガスパール」になる日は近いかもしれない。

文、イラスト:ベネディクト・ゲッティエル
24 ページ
24-25cm

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We All Went on Safari / サファリにいこう!

こちらも今年のボローニャで出会った「アフリカ絵本」(といっても、イギリスの出版社 Barefoot Books によるイギリスの児童向けの内容なので本家本元のアフリカとは言えないのだけれど・・・)。

マサイ族のアルーシャ、モシ、タンペは友達と一緒にタンザニアの草原への楽しい楽しい旅に出た!旅の途中では、ライオン、カバ、キリンなどなどさまざまな動物に出会う。動物を見たらさぁ一緒にマサイ族の言語であるスワヒリ語で数を数えてみよう!
テキストは短くリズム感あふれる文章で、声を出して読めばもっと楽しくなる。タンザニアの地図を見ていれば遠いアフリカの地が近くにさえ感じる。スワヒリ語で数が数えられるようになるのもなんだかかっこいい!イラストも優しい水彩画でタンザニアの風景が目の前に広がり、子供たちもタンザニアの草原へ行った気分になれるかもしれない。

すでに 13 ヶ国語の翻訳が行われている人気のわけは、今世界中の子供たちが求めているものが、アフリカの大地やアフリカの子どもたちのようにただぶらぶらと散歩して・・・といったスローな遊び方にあるということを教えてくれているのかもしれない。


文:ローリー・クレッブス
イラスト:ジュリア・ケアンズ
32 ページ
24-25cm

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Paresseux / なまけもの

「ナマケモノはただなまけているだけ」。ナマケモノは森の動物たちから悪口を言われてばかり。いつもひとりぼっちで寂しくしていた。そんなナマケモノのところにひょんと現れたねこ。相手を色眼鏡で見ない二人はすぐに仲良しになる。こうして二人のありきたりだけれど心温まるお話が始まる。
色調が明るくパステル調のジャングルはなんだか見ているだけで落ち着く。こんなかわいいナマケモノをポスターにしたいくらい!でも絵の独創性だけでなく、ナマケモノが「なまけものでいる」という権利まで考えさせてくれる結構まじめな本でもある。これを読んだだけで少し心が広くなった気分になれるかも。



文およびイラスト:イレーヌ・ショッシュ
32 ページ
22-27cm

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L'Ananas, grand jusq'au ciel / そらまでとどく ぱいなっぷる

セケデヤの村はこの季節ジャスミンの香りでいっぱいだった。姉のファトゥと妹のマビンティはお母さんに手伝ってもらいながらお庭で野菜を育てていた。ファトゥとマビンティの二人はなすやレタス、トマトの前で歌って踊るのが大好き。
ある日、マビンティのブレスレットが大きな大きなパイナップルのところに落ちてしまった・・・

マビンティのブレスレットはパイナップルとともに空高く飛んでいく。マビンティはブレスレットを取り戻せる?それともブレスレットはマビンティを置いてパイナップルとともに空の旅にでてしまったの?
アフリカ発のお話らしく、明るい土の色青々とした草の色などの原色使いが美しい。でも内容はわたしたちが(勝手に)創造しているような「アフリカっぽい」お話ではなく、創造力豊かで誰もが楽しめるユーモアあふれるお話。アフリカの普通の生活をちょっとのぞいてみたい、そんな人におすすめの一冊。

文:イブ・ピンギリー
イラスト:サラング・セックフロランス・コエニグ
20 ページ
22×27 cm

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Arts Primitifs Entree Libre - プリミティブアートへようこそ

プリミティブアートは、日本語で原始美術のこと。メキシコのマヤ族からアフリカのズールー族、イースター島のモアイまで、世界の原始美術の美しい世界から、子供のために45を厳選、集めた本。

時々、忙しい毎日で、自分を失いそうになるときがある。どうにもこうにもならない、そんなとき、私たちの原点でもあるプリミティブアートの世界に戻ってみるといいかもしれない。今悩んでいることなんて、遠く数千年の昔の人々と比べればただのちっぽけなことに見えてくる。これが、私がエクアドルのインカ遺跡を訪れて感じたことなのだから。

石の彫刻や仮面など、さまざまな形をとる原始美術ひとつひとつには、深い言葉が込められている。
さらにその言葉の中には、原始世界に戻らなければ理解できないようななぞめいた秘密がひそんでいる。
現代のように時間がすべてを支配する世界からは想像できない空間。自然を中心とする現実と超自然が絡み合い、聖と美を織りなす。そんな世界に浸ってゆったりしたいもの。

  文・イラスト:マリ・スリエ
  95 ページ
  26-26cm

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Les Yeux de Maman / どのいろがきれいかな?

こちらもマティアス(下参照)に続いてボローニャ・ブックフェアで出会った、ベネズエラの出版社「エカレ」の絵本-と思ったら、実はフランスの異色児童書出版社「ソイユ」社の絵本でした。
世界で一番美しい色って何色だろう?世界で一番美しい色を見つけることはできる?とはいっても、世界で一番美しい「色」を見つけることはかなり難しい。そんな疑問にワニとライオンが答えようと色とりどりの花や木に囲まれた野原を歩き回る。

世界で一番美しい色を見つけるなんて、ほんとうは不可能に近いこと・・・だって色の美しさは人間一人一人が「感じる」ものだから、一人に一つの美しい色があっても、世界に一つの美しい色なんて言えるはずがない!ところが、ワニとライオンは一緒にその答えを見つけることができた-世界で一番美しい色、それは「おかあさんのひとみ」。
フランスでもすでに多くの児童書を出している作家兼イラストレーターのライオネル・コシュラン。彼によるこの作品は、ユーモアあふれるテキストで色の感じ方について学ぶことができる。色をテーマにしているからイラストもカラフルで見ているだけで美しい。テーマは色に対する人間の主観性、そして母の瞳という答えを見つける人間の客観性。そんなある意味みんながわかっているシンプルなフィロソフィーをこんな素敵な絵本から学べる。
母の日に贈りたい1冊でもある。そしてお母さんが子供にこの本を読んであげるのもまぁ、なんとも素敵。


文、イラスト:ライオネル・コシュラン
24 ページ
20-20cm

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私にできること-地球の冷やしかた

白黒だがこれほどインパクトのある表紙の絵本を見たことがあるだろうか?カナダの先住民族ハイダ族の絵を表紙にした絵本がこちら。日本で出版された、南米の先住民族キチュア族のお話しである。
クリキンディとは南米エクアドルの先住民族キチュア族の言葉で「金の鳥」のこと。そのクリキンディ(栗金ディ?)が住む森が燃えはじめてしまった。さぁたいへん!他の動物たちが逃げ回る中、クリキンディだけは勇敢にも行動を起こす。森はどうなってしまうのか?小さなハチドリ・クリキンディの運命は?

これはキチュア民族の先住民の間に伝わるお話だというが、このお話しこそ現代の私たちの「環境問題」への姿勢を教えてくれているという。そう「地球を冷やす」とは、つまり地球温暖化問題にかかわっているのだ。この「冷やす」という響きも英語風(つまり、 「クールダウン!」のこと)で個人的に好きなところ。それだけでなく、このお話しは私たち一人ひとりに勇気を与えてくれる。「あまりに大きな問題に取り巻かれている私たちはときに無力感に押しつぶされそうになります。でもそんなときはこのハチドリ・クリキンディのことを思い出してください…」こんなメッセージも物語の後に付け加えられている。

この物語のほか、京都議定書という「約束」についての説明や、地球を冷やすコツなどものっていて、子供も大人もいっしょに読んで、いっしょに行動に移すことができるはず。


監修:辻信一
イラスト:マイケル・ニコル・ヤグラナス
31 ページ
15-21cm

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Comemiedos / コメミエドス…ひゃーを食べるおばけ

弟は真っ暗闇の中怖がって眠れない。横にいたお姉ちゃんは灯りをつけてびっくり。そんなお姉ちゃんが自分が暗闇や、学校に行った最初の日、注射など「こわーい」と感じたことをどうやって乗り越えたのかを教えてあげるお話。コメミエドスはスペイン語(Comemiedos)で「怖いを食べるもの」の意味。そんなコメミエドスがいることを聞いた弟は、コメミエドスは大きく口をあけたガマガエルなのか、はたまたきばをむき出した犬なのか・・・怖くて怖くてたまらない!そんなコメミエドスだけれどいつもいつもモンスターを倒してくれる!

白と黒の背景をコントラストにうまく使ったミニマリズム-最小の装飾で最大の効果を生むデザイン・スタイル-的なイラスト、さらにリズム感のよい簡潔なテキストで、子供が暗闇を怖がるたびに読み聞かせてあげたいストーリー。
2001年1月スペイン大手出版社デスティーノ(Ediciones Destino)による児童文学賞「Premio de Literatura Infantil y Juvenil Ilustrada Apel.les Mestres」受賞作品。


文:ホルヘ・ゼンツネル
イラスト:ホセ・アントニオ・タシエ
32 ページ
21.5×27 cm

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Matias, y el color del cielo / 絵描きのマティアス、空を描く

今年のボローニャ・ブックフェアで出会った、ベネズエラの出版社「エカレ」の絵本。
もぐらのマティアスは絵を描くのが大好き。友達からは「絵描きのマティアス」とも呼ばれている。今日は空の色を描こう!と空を観察していたけれど、色がどんどん変わっていってどれを描いたらいいのかわからない。朝焼けの空、太陽が高く上った空、雨が降った灰色の空、夕暮れの空・・・と空の色はどんどん変わる。そんなマティアスはうさぎのペネロペから「空にはいろいろな色があるんだよ」と教えられて自分の好きな数だけ自由に空を描けることを学ぶ。
「空」という自然が子供の遊び道具になって楽しむ姿は、ベネズエラだけでなく日本の子供たちにも通じるはず。
本を開けると左に絵描きのマティアス、右にマティアスの作品と一緒に鑑賞するうさぎのペネロペ。ページをめくるたびに広がる広大な草原高い空はまさにゆったりとした時が流れる「田舎町」から生まれたもの。この本を読んで子供がお父さんに「こういうところへ連れて行って!」とだだをこねれば、大人だって少しゆったりとした時間を過ごせるのかもしれない。

この本はシリーズ『絵描きのマティアス』のうちの1冊で、このほか『絵描きのマティアス、太陽を描く』『絵描きのマティアス、有名になる』がある。すでに韓国語への翻訳は刊行されており、「自然を楽しむ」という理念は国境を越えられることを証明している。



文、イラスト:ロシーオ・マルティネス
24 ページ
21-21cm

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Le Petit Bonheur / ちいさなしあわせ

しあわせはどこにでもある。たとえばかさをひらいたとき。ぼくはかさをひらいただけでとてもしあわせ。そんな傘がある日突然飛んでいってしまう。雨にびしょぬれになったり、高く飛ばされたり。傘を追って山に登り、川を渡り、そこら中を探し回るぼく。ぼくは傘を見つけられるのかな。ぼくにちいさなしあわせはもどってくるのかな。
しあわせを探しにページをめくるたびに、緑、青、赤、黄色、オレンジと大きく広がる風景がページを埋める。微妙で落ち着いた色使いは、大人も見ているだけで心が落ち着く。半抽象的な絵は誰にでもある「もやもや感」を表象しているかのよう。
「ちいさなしあわせ」が風に吹かれ、雨に打たれる様子はいたいたしい。でも「ちいさなしあわせ」が戻ってくると、やっぱりちいさなしあわせはいいもんだって気づかされる。まさにスモール・イズ・ビューティフル(E.F.シューマッハーの言葉)をそのまま唄ったような本です。

文:カール・ノラック
イラスト:エリック・バットゥ
28 ページ
25×30cm

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Les Petits Riens / プチ・リアンはなにもしない

プチ・リアンはなにもしない。やることといえば、「焼きたてのバゲットの先をちょっと噛み付く」とか、「新しい本のにおいをかぐ」「風に吹かれるままに歩く」とか。プチ・リアンにとっては「なにもしない」が人生の大切な時間。なんにもしないから生きているってすばらしい。冬はマフラー春はマフラーを脱ぎ捨てて、でもいつも同じ姿で目をつぶって丘に座って風の音を聞くリアン。
18世紀フランスのロマン作家シャトーブリアンの言葉「ほんとうのしあわせはおかねがかからない。おかねがかかるなら、いいものじゃない」などを口にするリアンから大人が学ぶものは大きい。


文:エリザベス・ブラミ
イラスト:フィリップ・ベルトラン
72 ページ
15-16cm

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Caminantes del Sol - 太陽の道

エクアドルで見つけた児童書は、アンデス山脈の先住民族に伝わる英雄物語。

リャマを世話する少年、少年を見守る長老、そして長老の姪っ子の3人が、キト南のトメバンバ(現在はクエンカ市内の遺跡の名前)からクスコまで、アンデス山脈に連なる長い道のりを旅する物語。この長い旅路-先住民のキチュア語で「カパック・ニャン」-には、多くの困難が彼らを待ち受けていた。このお話しでインカ帝国時代の先住民の勇敢な生き方、考え方を学べるだけでなく、アンデス山脈を生き抜いた多くの先住民族の間の兄弟愛を知ることができる。

本書は、エクアドルの児童書界で有名な作家の一人であるエドゥナ・イトゥラルデによるもの。6人の子供の母親でありながら、これまでに11冊の書籍を世に生み出してきた。エクアドルの児童作家賞を受賞、また米国の国際児童書マガジン『スキッピング・ストーンズ (Skipping Stones)』の作家賞も受賞している。

エクアドルだけでなく、ペルー、ボリビア、チリにまで広がる南米アンデス山脈の先住民。その先祖とも言える「インカ」の時代の暮らしぶりが描かれたこの物語は、という忘れがちだが一番「スロー」なキーワードを教えてくれる。

  文・イラスト:エドゥナ・イトゥラルデ
  164 ページ
  15-20cm

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Comptines et berceuses du baobab -コンタン・デュ・バオバブ

フランスには CD 絵本というカテゴリー児童書の中にある。その中でも世界中から集められた子供向けのお話しに、民族音楽のコンピレーション CDがついて、絶妙なフュージョンと呼べるのがこの書籍。

「コンタン・デュ・モンド-せかいのおはなし」と題されたこのシリーズにはブラジルやマグレブ(アラビア語で「日の沈む地、西」の意味でチュニジア、アルジェリア、モロッコのアフリカ北西部)、クレオールと呼ばれるハイチ、グアダルーペなどのカリブ海の島国からの物語の 3 冊がある。こうした地域は、先住民族からの伝統や習慣もまだ強く残っていて物語は不思議な雰囲気に仕上がっている。
今日はこのシリーズのうちの「バオバブ(もともとアフリカ内陸部の巨木。あの星の王子さまに出てくるあの木)」からのコンタンを紹介。フランスでバオバブといえばコート・ジボワールからルワンダまでのアフリカ中部を指すけれど、これらの国々には国の数以上に話されている言語の数があるというから驚き。ちなみにこの本には最初に民族の言語で物語が語られ、その後にフランス語の翻訳と解説が載っている。ここまで多言語を一冊の本に載せられるなんて、フランスの寛容さに感動さえしてしまう。(うーん、日本ならこうバイリンガル・ブックスが売れるにはまだまだ時間がかかりそう…)
さにアメリカやイギリスなどのマス・ミュージックの影響が少なくて、音色・リズムともに新鮮な響きである。

さらに音楽もこうした地域の多彩な伝統楽器から、神の声とも呼べるような美しい歌声が集められている。ま過去と現在の少しずれた感覚をつなぐ橋になるように、という願いがこめられた本書。それは昔から変わらない子供と常に変化を求め続ける(時に求めすぎる)大人が一緒に楽しめる本とも言えるのかもしれない。


監修:ポール・ミンディ、ジャン-クリストフ・オアロ、シャンタル・グロスレジア
イラスト:エロディ・ヌーアン
60 ページ
27-27.4cm

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The Very Hungry Lion / おなかのすいた ライオン

ライオンのシンガムはなまけもので何をするのも面倒くさい。でもきょうはとてつもなくお腹がすいているから、と獲物を探しに出かけた。街へ出かけて人々を追い払って羊を食べてしまおう!と決めてさぁ出かけたものの、途中でつばめに出会う。「これはいいえさだ」と食べようとするが、頭のよいつばめに「あっちにもっとおいしいお米があるよ」と教えられついついつばめを食べ損ねてしまう。歩き続けると今度はやぎに出会い「さぁ食べよう!」とするけれど、またまた逃げられてしまう・・・。おなかのすいたライオン・シンガムは獲物にありつけるのかな?こんなおちゃめなライオンは子供たちの人気者になるはず。
本書の魅力は物語だけではない。インドの伝統的なワルリ Warli 様式のイラストは現代アートにも見える独創性を放つ。使用している紙はもみ殻と綿花で作られ「ざらざら」「ごわごわ」していて、ページをめくるだけでインドに代々伝わっていたという重みが伝わってくる。子供だけでなく大人も一冊持っておきたい貴重な一冊。英米はもちろんフランス語にも翻訳され、日本語への翻訳が待ち遠しいところ。とにかく書店の本棚では存在感が出ることまちがいなし。素敵な人へのセンスのよいプレゼントになることまちがいなし。


文:ジタ・ウォルフ
イラスト:インドラパラミ・ロイ
32 ページ
21.5×27 cm

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Contes en Partage / いっしょによもうよ せかいのおはなし

ネパール、マダガスカル、インド、ブラジル、カンボジア、タイ、ブルキナファソ、ハイチなどなど・・・世界から集められたちょっと不思議でキュートなお話の数々。これをポスターなどでフランスで人気の女性イラストレーター、アウレリア・フロンティの絵で楽しめるおしゃれな本。 
「伝説や寓話」と聞くとなんだかつまらないけれど、ここにあるお話は面白おかしく、時には美しく、時には悲しく聞こえることもある。でも読んだあとでなぜか笑みがこぼれてしまうような、まさに魔法のようなお話ばかり。
子供が寝る前に1日1話読んであげるのもよし。大人はそのたびに世界中の国へ旅した気分にもなれる。

文:ジャン・ジャック・フディダ
イラスト:アウレリア・フロンティ
91 ページ
20-25cm

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